子供を望むのはまだ先でいいかなと思いながら、時間だけが過ぎていく・・。気づいたら40歳の最後の月。
何回か高度治療をやってみて、ダメだったら諦めようと思ってはじめました。
不妊治療を考えていても、時間やお金はどのくらいかかるんだろう?いまからでも間に合うのかな?と不安になりますよね。
今回は、不妊治療にどのくらいの時間とどのくらいお金がかかったのか、保健適用でどのくらい変わったか、私の実体験ベースでお話ししたいと思います。
不妊治療期間
まずは、ざっくりと私の不妊治療の経緯をお話しします。
およそ半年間、高度不妊治療を行いました。
えざきクリニック
2022年1月〜5月
2月採卵(高刺激)7個 →胚盤胞0
4月採卵(高刺激)5個 →胚盤胞1
5月 移植 ×
高刺激は痛みと次の採卵までの待機期間が長いことへのストレスがあったため、最後の砦といわれるKLCへ転院。
加藤レディースクリニック(KLC)
2022年7月〜8月
7月 採卵(低刺激)1個 →胚盤胞0
8月 採卵(低刺激)2個 →胚盤胞1
8月 移植 🧚
KLCで低刺激でやることにより、痛みから解放されたこと、毎月採卵のチャンスがあることで、ストレスなく通うことができました。
不妊治療はお金と時間がかかるだけでなくて、結果がでないことでどんどん自己嫌悪に陥り、先の見えない不安感でおしつぶされそうになりました。
毎日、とにかく良い方法はないか・他の人の体験談を調べていました。
転院してからは、少し諦めもあり、だめだったときの生き方を考えるようにしてからはストレスが減りました。
ソロキャンを始めて、そのためにスーパーカブを購入。これから1人でいろんな所に旅をするぞ!と別の楽しみを作った矢先の移植で着床し、出産に至ります。
他の楽しみを考えることで、ストレスが減ったことは、うまくいった要因だった気がします
このあたりの話や、クリニックと治療方針についての見解などは、また別の記事で紹介しようと思います。
かかった費
医療費 | 自治体の助成 | 先進医療保険 | 高額療養費還付金 | |
えざきクリニック (自由診療) | ¥1,108,320 | ¥800,000 (東京都と区の助成金) | ー | ー |
KLC (保健診療) | ¥345,111 | ¥84,000 (東京都と区の先進医療助成金) | ¥84,000 | ¥114,700 |
約30万円ほどで、不妊治療を終えることができました!
えざきで不妊治療を受けているときは、不妊治療の保険適用前でした。ですので、東京都と区の助成金となります。(現在は不妊治療が保健適用となったので、国からの助成金というのはなくなりました。)
自由診療の費用が高すぎて、改めてびっくりしています。
とくに高刺激だとお薬も沢山つかうので、費用が高くなります。
KLCでの不妊治療は保険診療となった後でしたので、医療費は保険適用(3割負担)での金額になります。
そこから、助成や保健の適用があったのでかなり助かりました。
KLCで行った先進医療は、東京都と区の先進医療助成金を適用することができました。
また、私は医療保険に先進医療特約をつけていたので、こちらも適用になっています。
今回、かなり安く治療ができたことは国の保険と個人で入っている保険が大きく関係します。
健康保険の適用・先進医療・医療保険についてそれぞれ紹介いたします。
健康保険の適用について
2022年の4月から不妊治療が健康保険適用となりました。
ただし、残念ながら43歳未満の適用・回数制限付きとなります。
保健適用の制限
40歳未満は通算6回まで、40歳以上43歳未満は通算3回までの移植が保健適用になります。
対象は移植ですので、採卵したけれど1つも胚盤胞にならず移植ができない場合はカウントされません。
私のように採卵→採卵となった場合、この時点ではまだ回数は消費していません。
- 40歳直前で不妊治療を開始した場合はどうなるの?40歳になったら通算3回に変わってしまうの?
-
その場合でも通算6回で進めることができます!
- 採卵を続けてやって、貯卵してから移植はできない?
-
クリニックに確認しましたがNOでした。基本的には、採卵をして1つでも移植できる胚ができたら、次のステップは移植になります。
ですので、高刺激が合う方は、高刺激で沢山卵をとってから移植という方法も良いかもしれません。
ここで重要なのは、開始した時期が40歳未満かどうかです。
移植をできる回数が3回と6回では、大きく違ってきます。
私は41歳になってからの採卵だったため、3回スタートでした。
回数が少なく常に不安がありました。移植6回だったら、もっと安心感をもって臨めたと思います。
高度療養費制度
健康保険には高度療養費制度というものがあります。
1か月の医療費が高額になった場合、申請により自己負担限度額を超えた分が支給されるというものです。
所得により変わるのですが、例えば年収370万円〜770万円の方が高額な治療を受けた場合、毎月の支払いは約8万で収まるというものです。
保健適用で不妊治療を始めた場合、毎月の支払い額の上限金額がこの金額になるので、ある程度かかる費用の目安がたつので安心することができます!
なお、私の場合は扶養で入っている健康保険独自でさらに還付される制度がありましたので、予想よりかなり多く還付していただけました。
ご自身の入っている健康保険を一度チェックされるといいかと思います。
「1ヶ月の医療費」ですので、翌月にまたがって医療費が分散した場合は、その対象にならない可能性もあります。
※2024年12月時点で、この自己負担限度額が上がることが政府内で決まっています。健康保険の改悪と言えるので、とても残念です・・。
先進医療について
私は、KLCで先進医療であるタイムラプス(タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養)を行いました。
胚盤胞になる確率があがるというもので、実際KLCでは3個の卵から1つ胚盤胞になることができました。
(えざきクリニックでは合計13個の卵を採卵できたにもかかわらず、1つしか胚盤胞にならなかったので・・。もちろん刺激方法だったり、他の要因やただの運ということもあります)
先進医療はどこでもやってもらえる?
できることなら、色々な可能性を信じて先進医療もやってみたい!と思うのは皆さんも同様かと思います。
タイムラプスだけでなく、不妊治療には他にも様々な先進医療があります。
・PICSI(ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術)
・タイムラプス(タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養)
・EMMA/ALICE(子宮内細菌叢検査)
・ERA(子宮內膜受容能検査)
・SEET法(子宮内膜刺激胚移植法)
・子宮内膜スクラッチ(子宮内膜擦過術)
・二段階胚移植法(二段階胚移植術)
・子宮内フローラ検査(子宮内細菌叢検査)
・子宮内膜受容期検査(ERPeak)
・ZyMot (膜構造を用いた生理学的精子選択術)
下記リンクは先進医療を実施している医療機関の一覧です。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html
選択肢は沢山あった方がよいです。色々な先進医療に対応したクリニックをお勧めします!
先進医療にかかる費用
先進医療は自由診療(10割負担)となるので、費用がかなりかかります。
KLCでのタイムラプスだけでも、¥42,000がかかりました。
私はここに、医療保険の先進医療特約適用と東京都からの助成がはいったため、結果として先進医療には全くお金がかからない状態でした。
また、自治体独自の助成などもあるため、一度お住まいの区や市に問い合わせをしてみると良いと思います!
東京都と区への申請は、すごく面倒くさかったです・・。時間もかかりましたが、助成金をいただけてとても感謝しています。
医療保険の適用について
2022年4月から、一部の不妊治療が新たに医療保険の給付対象となりました。
・人工授精(女性のみ)
・採卵術(女性のみ)
・精巣内精子採取術(男性のみ)
・胚移植術(女性のみ)
私が入っている医療保険は、かなり古いプランのものだっため、残念ながら上記の給付対象にはならず・・。
新しいプランに乗り換えていれば良かったととても後悔しました。
採卵も移植も給付対象になるとしたら、かなりの部分の費用が手元にもどってきます。
また、先に述べた先進医療特約も入っている場合は、こちらも給付対象になるので出費はさらに抑えられます。(先進医療を受けた場合)
まとめ
保健適用が開始され、費用がぐっと抑えられるようになりました。
不妊治療を迷っていらっしゃる方は、是非決められた移植回数だけでもチャレンジしてみてほしいと思います。
もちろん、43歳以上の方には、国からの助成金もなくなってしまったので、辛い状況には変わりありません。せめて、何か別の助成などが復活するといいなと思っています。